AnimalBodyTalk

動物たちが教えてくれること

ついにこのときがやってきた!


BodyTalk for Animalsのワークショップに参加するためシンガポールへいってきました。動物とのワークがしたくてボディートークの道に入ったわたしにとってはまさにここからがスタート。何ヶ月も前からわくわくしながら心待ちにしていたのです。


ルーシャ・ジェイコブス先生はボディートークのインストラクター、施術士であるだけでなく、長年アニマルコミュニケーターやドッグトレーナーとしても活躍され、その豊かな経験を活かして世界中で動物に関わるさまざまな活動を展開されている方です。気さくであたたかく、それでいてとても力強いオーラをまとった彼女との初対面に、これからの4日間に期待をふくらませるわたしでしたが、そのときはまだ、これほどまでに深遠な体験をすることになるとは思ってもいませんでした。


最初の2日間は主に座学とルーシャによるデモセッション、3日目以降は実際に参加者が施術を行いそれぞれの結果をシェアしながら学んでいきます。セッションを通じて明らかになるストーリーや動物から伝えられるメッセージは、彼らがいかに豊かで鋭敏な感性を持ち、周囲の人間や動物を気遣っているかを知らしめるもので、そのエゴのない優しさと大きな愛に思わず感動…。わたしもウサギやハムスター、猫、犬にセッションをさせてもらいましたが、動物は人間よりも素直に反応を示してくれるので、とても勉強になると同時に励みにもなります。自分の未熟さに不安になりながら施術していると「だいじょうぶ、ちゃんとできているよ」と勇気づけてくれたりときには「まだまだレベルアップしないとね」と喝を入れてくれたり、最後には「ありがとう」とお礼を言ってくれたり、謙虚でありつつも自信をもって取り組むことの大切さを動物たちが教えてくれました。


そして最終日。郊外にある乗馬クラブでの実習です。朝、現地に着いたときから、なにかこみあげてくるような不思議な感覚がありました。まず集合したところでオリエンテーション。ルーシャは「泣きたくなったらがまんせずに泣いてね」と言うと、まっすぐわたしを見てにっこり。「泣くのはわるいことじゃないんだから」


セッションをする馬の準備ができるまで、しばらく待ち時間がありました。そこには1頭のロバが。なにげなく近づいてみると目から涙を流しています。どうすることもできずぼんやりながめているとルーシャがやってきていきなりぎゅっと抱きしめてくれました。するとわたしもとめどなく涙が…悲しいとかではなく、今まで固く閉ざされていたものが開いて一気にあふれだしたような、うまく言葉にはできないけれど解き放たれるような涙でした。


なにがなんだかわからないまま、時間がきたので、まだうるうるしながらも馬のところへ移動。ルーシャが馬に選ばせる形で数人ずつ参加者を割り当てていきます。わたしを呼んでくれたのはジョイという馬。ベテランのボディートーカー2人とチームを組んでセッションにあたりました。はたしてジョイとわたしは似たような問題をいくつも抱えていました。それは偶然ではなく、だから引き寄せられたわけで、そうしてお互いに癒しと学びがもたらされるようになっているんですね。とはいえ、このときのわたしはルーシャの予言どおり、ほとんど泣いてばかりで、馬の代理になっていっしょにパラレルセッションを受けたりと、主に癒してもらう側だったのですが、最後に少しだけいくつかのフォーミュラをタップさせてもらいました。


セッションが終わると、心臓のあたりが熱く、大きくあたたかいものに包まれたような安心感と駆け出したくなるような喜びが湧きあがってきました。そういえば馬の名前はJoy、喜びという意味です。もう1頭、近くにいてセッションを手伝ってくれた馬はBliss、至福を意味します。ジョイとブリスがわたしに喜びと至福というギフトをくれたのです。


そのあとも馬を交替して何度かセッションをしましたが、その度に自分自身に関するきづきがたくさんありました。ボディートークとはセッションをする側であっても、つねに自分自身と向き合うことでもあるのだと思い知らされます。また、動物の高潔なエネルギーに触れると謙虚にならざるをえません。動物のためにできることがあるならと思って始めたボディートークですが、結局のところ、動物に癒され、彼らの智慧から学ぶことの方がはるかに多いのですから。それでも、だからこそ自分なりに少しでも動物たちに恩返しができるよう努力していきたいという思いを強くするこの4日間でした。長い旅のはじまりです。


最後の練習セッションが終わったあと、草を食む馬を前にぼーっとしていると、1回目のセッションでチームを組んだ女性がやってきて「ありがとう」とハグしてくれました。「どうして? お礼をいいたいのはわたしの方なのに」と言うと、「この馬にセッションをしたんだけど、あまり深いところまで入れてもらえなくて、これじゃすっきり終われないなあってモヤモヤしてたら、あなたが馬に近づいていったの。そしたら馬が心を開いて、ふたりの気持ちがつながったのがはっきりとわかった。こんなに美しい瞬間を見ることができて幸せよ。だから、ありがとう」と。それを聞いてまた涙がでてきてしまいました。わたしはただ、この一日で体験したことに圧倒されつつ、すべてを包み込むような馬の寛大なエネルギーに浸ってぽかぽかしていただけだったのですが、そのとき確かに実感していたのは、すべてはつながっているのだからだいじょうぶ、ということ。それ以外にこの日 学んだことについてはこれから時間をかけて消化し、今後の活動の糧にしていきたいと思います。


動物たちの世界との橋渡しをしてくださったルーシャ先生、あらゆる場面でサポートしてくれた参加者のみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。これからも周りの人々や動物たちから学びつつ自分を信じてこの道を進んでいきますので、よろしくお願いします。


写真は“美しい瞬間”のお馬さん。ありがとう。

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