PSYCH-K®︎

代理セッションの不思議を脳波測定で検証

先日、PSYCH-K®︎(サイケー)セッションの前と後で脳波に変化が認められたという検証結果についてご報告しましたが(→脳全体をバランスよく活用ーPSYCH-K前後の脳波測定)、この実験を行った脳神経学者のジェフリー・L・ファニン博士がアメリカの国営放送であるボイス・オブ・アメリカでホストを務める番組にPSYCH-K®︎の創始者ロブ・ウィリアムズをゲストに迎えた回で、その裏話を含めおもしろいやりとりがあったのできょうはそのお話を。(→こちらで音声が聴けます:英語)

まずはPSYCH-K®︎を初体験したときのエピソードです。

半信半疑ながら最初に基準値として通常の脳波の状態を測定した後でセッションスタート。

PSYCH-K®︎では質問に対して体の反応で“はい”と“いいえ”を確認するのですが、自分(顕在意識)では“はい”だと思っていても体(潜在意識)の答えは“いいえ”だったりと不思議な感覚を味わったそうです。

しかし、本当に驚いたのはこの後でした。

30分ほどのセッションを終えて再び測定すると、脳波がまったく違った状態になっていたからです。

どこかで測定を誤ったのではないか、機械に不備があったのではないかなど3日かけてなんとか原因を探ろうとしたものの、それほどの差異が生じた理由は説明がつきませんでした。

つまりPSYCH-K®︎の効果でしかありえないということです。

これを契機に2010年に行われた本格的な検証の結果は前の記事でお伝えしたとおりですが、当初はこの結果を公にすべきかどうか躊躇していたといいます。

世間一般に受け入れられるかどうかは微妙だったからです。

でも今や(この番組が放送されたのは2015年11月)こういうことがメインストリーム=主流となっていて、ぼくたちはそんな話ばかりしているよね、と笑うふたり。

そう、アメリカではPSYCH-K®︎やボディートークのような意識ベースの療法はすでに定着しつつあって、スクールカウンセリングや企業でのストレスマネージメントなどにも取り入れられるまでになっているんです。

日本でもはやくそうなることを願うばかりです。

もうひとつ興味深かったのは、上記の検証結果の論文には盛り込まれていないのですが、代理セッションの脳波測定の話です。

動物や幼いこども、重病の方に対してセッションを行う場合、飼い主さんやご家族に代理人(サロゲート)となってもらってセッションに参加していただきますし、遠隔セッションでもサロゲートのテクニックを用いるのですが、これもまたどうしてそんなことが可能なのか理解できないと怪しまれがちな点なんですよね。

そこでこれについても脳波測定による検証が試みられました。

ロブがサロゲートに入る前の脳波、、サロゲートに入っているときの脳波、サロゲートを解いた後の脳波をそれぞれ測定して解析を行ったところ、サロゲートに入っている状態では脳波に明らかな変化が起きていることが確認されたそうです。

しかも被験者は同一人物であるにもかかわらず、誰のサロゲートになるかによって脳波のパターンが明確に異なっており、ひとりひとりに独自性が見てとれたとのこと。

ボディートークでも体の可動域をテストすることでサロゲートに入る前と後の状態の変化が確認できるのですが、脳波にもはっきりと違いが顕れているんですね。

ただしこのようにデータで実証するまでもなく、敏感な人であればサロゲートに入ったとき、身体感覚や心理状態が変わるのがわかります。

ロブもサロゲートに入っているときには明らかに自分のものではない思考がおりてくるとこの番組のなかで語っていますが、わたしも遠隔セッションでクライアントさんのサロゲートに入ると、その人の思考の癖や心持ちを身をもって感じとることになります。

とはいえ完全に入れ替わってしまうわけではなく、自分自身の感覚もしっかり残っているので、「この人はこういう感じなんだなあ」というのを冷静に俯瞰で観察している感じですね。

でも初めて体験したときはよくわかっていなくて、「なんか急に右脚が動きにくいんだけど」と思ったら「あ、そのひと右脚が不自由だから」と言われたり、「なんでこんなにソワソワした気持ちになるんだろう」と不思議がっていたら「ふだんから落ち着きがない人なんだよねー」と教えてもらって納得したりしたのを覚えています。

クライアントさんのなかでもサロゲートになってみて、愛猫や愛犬の気持ちが体感として直接伝わってきたと涙される方もいらっしゃいます。

他者の身になって考えるというのは難しいもので、自分が思っていたのとはぜんぜん違うこともありますし、外から観察してわかっていたことでも体感してみるとまた違ったレベルでの理解を得られる気がします。

わたしが好きな作家のひとりであるジョージ・ソーンダーズの『リンカーンとさまよえる霊魂たち』という小説のなかで、霊魂たちが墓地を訪れた生身のリンカーンの“なかに入る”という描写があって、これが物語の肝となっているのですがこの“なかに入る”感覚がまさにサロゲートなんですよね。

もしかしたらソーンダーズも…?と思ってしまいましたがそうでなくてもいろんな意味で示唆に富む感動作ですので代理セッションに興味がある方もない方もぜひ読んでみてください。

まあ世の中には奇妙なことがたくさんありますが、アインシュタインの言葉にもあるように「知識の唯一の源泉は経験である」。

科学的根拠がどうこうよりもまずは体験してみることが大切なのかも。

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