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BodyTalk効くひと効かないひと(後編) 効果を左右する要因とは?

ボディートークがまったく効かないケースはほぼありえないと思われますが、効果を実感できないという人が一定数いるのはなぜ?

前編はこちら↓

今回は理由その2「効果の度合いには個人差があり、効果が出にくいタイプの人が微妙な変化に気づきにくい」について。

当然ながら心やからだのコンディションは人それぞれ異なります。そして状態が良い人ほど回復しやすいというのはかんたんに想像できますよね。たとえば、ふだん健康な人がたまたま雨に濡れて風邪をひいただけなら、点滴をしたり薬をのめば数時間後には元気になっているでしょう。でもかなり進行した癌が見つかったとなれば、すぐに治療をはじめても体調が良くなったと感じられるのは何ヶ月も先かもしれませんし、むしろ治療のプロセスが病気の症状以上につらいということだってあります。

ボディートークは意識の調和を回復する(ことによって自然治癒を促し結果的に身体症状が改善する)ものですが、同じように意識のアンバランスの程度にも個人差があり、基本的にさまざまな環境的要因や人生経験に柔軟に対応しながら生きてきた人が一時的に行き詰まっている場合、たった1回のセッションで劇的な効果が得られることも少なくありませんが、よくないパターンを抱え込んだまま長年かけてこじらせてきた人はセッションによって固定観念を揺るがされ一時的には逆に不安になってしまい好転を実感できるまでにはしばらくかかるかもしれません。

ちなみにコロナ禍になってからリピーターの方々からも以前ほどボディートークが効かなくなったという声が多く聞かれました。が、それはボディートークの効果は同じように出ていても、もともと個人的に抱えているストレス要因に加えてパンデミックによる行動制限や社会不安の影響を受けてマイナスが大きくなっているため、差し引いたときに残るプラスが少なくなっているというだけの話です。いつもより強いストレスがかかっているときや不利な条件下にあるときに同じだけの効果を得るためには、そのぶんセッションの回数や頻度を増やす必要があるということですね。

薬なら長いあいだ同じものを服用していると耐性がついて効きにくくなりますが、ボディートークのセッションは回復力をきたえるトレーニングのようなものなのでやればやるほど反応がよくなり効果は上がりやすくなります。

ボディートークは人間でも動物でも胎児からお年寄りまで幅広く受けていただけますが、一般的に効果を得やすいのは動物こどもです。

まず動物は基本的に自然の法則に従って全体の調和を志向する本能を強くもっていてエゴをこじらせるようなことはめったにありません。だからこそ心身の調和を回復する力=自然治癒力も働きやすいのですが、同時に環境的要因から影響を受けやすいという側面もあります。人間と暮らす動物たちは人間に最適化された生活環境のなかで本能を抑制しなければならないことに加え、身近な人間が抱えているストレスや人間を含めた家族間の問題に対して感受性が高いため、たいていはそれらが原因で体調不良や問題行動が起きます。ほとんどの場合、そうした環境的要因によりうまく対処できるようにバランスを整えるだけで大きな改善が見られます。医者からは回復の見込みはないと告げられたとか余命宣告をされたという状況から完治した事例もわたしのクライアントさんのなかでもたくさんあります。また飼い主さんがセッションを受けただけで動物の状態が目に見えて変化したという報告も少なくありません。

こどもについては、意識の柔軟性が主な要因です。

無意識というのは習慣性で機能します。つまり同じパターンを繰りかえすという特性をもっているのです。そしてパターンというのは繰りかえせば繰りかえすほど強固になり、変えるのは難しくなりますし、さらに繰りかえしつづければそれが自分にとって明らかによくないものであっても手放すのが怖くなっていきます。パターンすなわち意識の癖の多くは幼少期に刷り込まれますが、年齢が低ければ低いほど繰りかえした回数は少ないので修正しやすく、とくに人格形成期であればまだやわらかい粘土のようなものなので、ボディートークにもよく反応します。

逆にパターンの固定化が進み意識の柔軟性が失われるとセッションに反応しにくい状態になるので、時間をかけて少しずつ効いてくるという形になります。このような場合にもし一気に劇的な変化を引き起こせば心身が対応できないため危険ですし、恐れのあまり拒絶反応が起きて逆効果にもなりかねません。ボディートークは安全性を重視する療法ですのでご本人が受け入れられる範囲でのみ変化が起きるようになっています。

まだ若くて身体的には大した不具合は出ていないからボディートークはまだいいやという人も多いようですが、意識の柔軟性は年々失われていくものですし、信念システムの歪みによるストレスの蓄積はこどものときからはじまっています。病気や身体的症状というのは、それが限界に近づいて「そろそろなんとかしないとまずいよ」というからだからのメッセージです。どんな問題においてもそうですが、深刻な影響が表面化してから対処するよりも、厄介ごとが起きる前に原因を解消しておくほうが問題解決にかかるコストは小さくてすむので、できるだけはやくはじめることをおすすめします。

わたし自身、周りの同年代の女性からは更年期障害がはじまったと聞くことが増えつつありますが、30代半ばからずっとボディートークをつづけているおかげでむしろ今が人生でいちばん体調がいいくらいで、はやく出会えてほんとうにラッキーだったなと実感しています。

もちろん意識の柔軟性は年齢によって決定づけられるものではなく個人差も大きいですよね。自分の信念システムに捉われず、むしろつねにそれをアップデートしながら生きていれば、大人になっても新しい状況に適応しながら変化を受け入れるしなやかさを保つことができます。でもそういう人でも、というかそういう人こそ、年齢を重ねるとともに少しずつ柔軟性が失われていくのを敏感に察知しているのではないでしょうか。そういう方にはメンテナンス・ツールとしてのボディートークの価値をすぐにご理解いただけるケースが多いようです。

そういった意味ではボディートークは上級者向けという捉え方もできるかもしれません。しかし、すぐに効果を実感できる、つまりもともと状態がよい人にとっては他にも有効なセラピーは他にもたくさんありますし、ボディートークと一生縁がなくてもときには行き詰まりながらも自力で成長しつづけ充実した人生を送ることができるでしょう。ボディートークを活用すればよりいっそう進化が加速しかつ健康に過ごせるというだけで。

すぐには効果が実感できないくらい凝り固まっている人はボディートークをつづけようとはなかなか思わないでしょうが、じゃあ他に即効性のある解決法があるかというと、おそらくありませんし、じゃあ何もしないということになれば年齢を重ねるごとに状況はどんどん厳しくなっていくばかりです。ボディートークはそのような状態の人にでも時間はかかるとしても効果を上げられる可能性がある数少ない選択肢のひとつです。その点ではそういう人々にとってこそボディートークの意義は大きいと言えるかもしれません。

さて、もうひとつ効果の程度を大きく左右する要因があります。それは施術者の技能レベル

有料でセッションを提供するためにはボディートーク認定施術士(CBP)という資格が必要ですが、一口にCBPと言っても技術や知識のレベルには雲泥の差があるのが実情です。ボディートークではこころやからだの問題にいかに精密にフォーカスできるかが重要になりますが、そのためには生理学、解剖学、意識の構造などについて膨大な知識と深い理解が必要となります。その上で、知識の枠にとらわれることなく目の前にあるものをただありのままに観察できる直感力や意識の柔軟性も欠かせません。少ないセッション数で効果を得るためには、そうした資質をもった施術者を選ぶようにしましょう。

それと相性も大事です。やはり施術を行う側と受ける側の共鳴度が高いほど効果は出やすいものですから、感性が似ている、あるいは同じような境遇や問題を経験している施術者を選ぶといいでしょう。よくわからなければ単純にピンときた人でもOKです。

これまでに何千件もの施術の機会をいただきましたがボディートークのセッションというのはひとりひとり、さらには毎回内容が違い、ふたつとして同じものはありません。また自分自身のメンテナンスのために他の大勢のボディートーカーのセッションを受けてきましたが、施術者が違えばそれぞれの個性が反映されて同じモダリティとは思えないほどまったく異なる体験になるので、つねに新鮮で興味深いです。それがボディートークの魅力のひとつでもありますね。

以上、ボディートークの効果の程度を左右するふたつの主な要因

・意識の柔軟性

・施術者の技能レベルと相性

についてでした。

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